le cafe sympa

　上の茶飲みセットは、大昔、結婚をしたときに高校時代の友人（Ｍ美にＭ代にＲ子）からそのお祝いにもらったものだ。あるデパートで見つけて、彼女らに指定した。短い結婚生活だったので、片手でも数えるほどしか使っていない。相手は外人だったので、多分彼はこれでお茶を飲んだことはなかったかもしれない。友よ、ごめん。
　私は長く外国に住んでいたのだが、帰ってくるたびに、このセットを外国に持っていこうと思ったが、どこにしまったか忘れたりして結局持っていかなかった。今にして思えばこれは大正解であった。
　海外の日本好きが持っている和食器というのは、だいたいが、１００円ショップで手に入れたようなものである。金のある方はもちろん値のあるのを持っているが、私が付き合っていたのは学生や若い人だったので、手頃な値段で買えるので彼らにしてみれば大満足だったのである。私がこの結婚の祝いにもらったセットを持って行っていたら、多分、引っ越しするときに、気持ちの高揚もあって、「これはすごく大切なものなの。でもプレゼントとして置いていくから大事にしてね」と日本好き外人にきっとあげていたかもしれない。そしてものすごく後悔していたかもしれない。そうやって、人にあげたもの、置いてきたものが多々あるのだ。
　今、このお月見のうさぎが絵付けされているお茶セット、大事に使わせてもらっている。紅茶を飲んだりもするが、アニューという店で買ったほうじ茶をこれで飲むと、ほんとに心も体もリラックス。ふーと一日の疲れが取り除かれていく。友よありがとう。